分人から考える「言葉がある」ことの大切さ。分人と灯台とハワイの空気。

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前回「分人」という考え方をご紹介しました。

まじめな、自己嫌悪しやすいあなたへ。「私とは何か-『個人』から『分人』へ-」
「私とは何か-『個人』から『分人』へ-」という平野啓一郎さんの本を読んだ。私はこの本を自分の子供にも読める年齢になったら読んでほしい。なぜな...

分人の説明を以下に抜粋します。

分人とは、対人関係ごとの様々な自分のことである。

分人は、相手との反復的なコミュニケーションを通じて、自分の中に形成されてゆく、パターンとしての人格である。必ずしも直接会う人だけでなく、ネットでのみ交流する人も含まれるし、小説や音楽といった芸術、自然の風景など、人間以外の対象や環境も分人化を促す要因となり得る。

一人の人間は、複数の分人のネットワークであり、そこには「本当の自分」という中心はない。

「私とは何か-『個人』から『分人』へ-」から抜粋

前回の記事では分人というものを知ることで、人生というものが楽になるのではないかということを少しでも伝えられたらという思いでした。

今回は分人という言葉があることの大切さについてです。少しでも伝われば幸いです。

ハワイの空気

子供のころドラえもんが好きでした。漫画で覚えている話があります。

いつも通り空き地でスネ夫が自慢しています。自慢しているのは「ハワイの空気」です。

ハワイへの旅行で記念として買ってきた、ハワイの空気が入った缶詰です。

その缶詰をのび太が空けてしまい、中の空気が抜けてしまいます。それをスネ夫に返せと言われて「ドラえもん、助けてー」となるのはいつも通りです。

確かひみつ道具を使ってハワイの空気を何十倍にもして返していました。(調べてみると空気中継衛星という道具でした)

さて、ドラえもんのひみつ道具を使って返された「ハワイの空気」は果たしてスネ夫が持っていた「ハワイの空気」と同じでしょうか?

私はそうは思いません。

そこにはハワイ旅行での行った場所の風景や食べたものの香り、家族で過ごした時間などが詰まっていたと思うからです。

「ハワイの空気」という記念の缶詰に入っているものは単なる空気ではないのです。

言葉を定義することの大切さ

この「ハワイの空気」のすごいところはこうした思い出、経験といったぼんやりとしたものが缶詰に込められて目の前にあるというところです。

そして、これが言葉を定義することの大切さだと思うのです

「ハワイの空気」に思い出や経験といったぼんやりとしたものが込められているように、「分人」という言葉には”対人関係ごとに違う自分がいる”という実感などが込められています。

この「分人」という言葉があることで、私たちは自分とはなんなのかというものを考えやすくなりました。

考えるための灯台を手に入れたといってもいいと思います。

「個人」は間違った灯台?

この分人という言葉のすごいところだと思うのは、私たちの実感や人間の性質といった現実がうまく言葉に込められていることだと思います。

例えば家と職場では違う自分であるという実感、他人や環境からの影響されやすさ、忘れやすさ、習慣に縛られやすい性質などがこの言葉に込められています。

下手に定義された言葉であれば、それは私たちの実感や人間の性質といった現実はうまく込められていません。

例えば「個人」という言葉です。分人ではなく個人という言葉には「常に一貫した自分」というものが含まれているように感じます。

しかしそれは実感には即していませんでした。人は一貫していませんし、環境で変わります。

そんな実感に即していないものを使って考えれば、感じていることと考えることの間ににずれが生じていくと思うのが自然です。例えるなら間違った灯台ということです。

そうしたずれが例えば一貫した自分が持てないことによる自分探し、あるいは環境を一定にすることで一貫した自分を保つようにする引きこもりにつながっていくとすれば、実感や現実とのずれのない(もしくはずれの少ない)言葉を使って考えられることがどれだけ大事なのかわかります。

実際に私は分人という言葉を知ることができて楽になりました。

「分人」という「灯台」を手に入れることができて良かったと思っています

終わりに

完全な定義というものはきっとありません。でもより現実に近い言葉があるならば、それを使って考えるほうがいいと思います。

では分人という言葉は、人間のどういった性質をその言葉に込めているのか?

次はそのことについて考えていきたいと思います。


引きこもりや自分探しについては、「私とは何か」の中でも触れられています。気になった方は読んでみると面白いですよ。


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